「梁がある部屋!?」
本計画の部屋は丸の内線新宿御苑前駅より徒歩1分のところに建つ建物の5階に位置する。
部屋は大きな梁がある。その部屋を改修した。
その梁は太いSRCで出来、部屋を二分するように中央に存在する。ちょっと背の高い人だと頭をぶつけそうなところまでその梁は降りてきていた。この部屋のスケールに対してなんとも不釣合いな梁で、初見で気になった。決して、意匠面においては悪いものではないと考えたが、それがプラン的な使いにくさまで影響していたため、まずはその梁を緩やかにセミパブリックとプライベートにゾーン分けするパーティションと考えられるよう、玄関側のプラン構成を組み替えた。
先にも述べたが、意匠面においてはそのアンバランスさがなんとも特徴的で悪くない。また、この部屋は場所がらSOHO的な利用を考えていたため、上述のようにベランダ側のプライバシーを守るためには好都合であった。我々はその特徴を生かし、玄関側はそのままボードで囲い、ベランダ側の梁に鏡をつけた。さも、梁もなく、玄関側の天井裏までプライベートゾーンが延びるかのように梁を対象軸とみなし、照明を配置した。
そう、その梁を越すまでその広がりは感じられない。まさに秘密の空間である。