日本の住宅市場においては、住宅ストックが過剰に存在しているにもかかわらず、「自分に合った理想的な住空間がなかなか見つからない」といったご相談を多くいただきます。新築住宅だけでなく、既存の住宅ストックをどのように活用し、より多くの人にとって魅力的な住環境を提供できるかが、大きな課題となっています。
私たちは、このような課題に対し、年間80〜90件におよぶリノベーションやコンバージョンのプロジェクトを手掛けることで、クライアントの多様なニーズに応えてきました。ただ空間を刷新するだけでなく、建物本来の魅力を引き出し、時代の変化に適応した住まいへと再生させることを大切にしています。住まい手のライフスタイルに寄り添いながら、一人ひとりが心地よく過ごせる空間を創造することで、住宅市場に新たな選択肢を提供していきたいと考えています。
また、近年深刻化している空き家問題にも積極的に取り組んでいます。2015年には、自主プロジェクト「カリアゲ」を立ち上げ、所有者が再投資することが難しい空き家を私たちが借り上げ、リノベーション投資を行い、運営する事業を展開しています。この取り組みにより、利活用されていなかった建物に新たな価値を生み出し、地域の活性化にも貢献しています。
人口減少が進み、経済成長期とは異なるフェーズに入った日本において、私たちは単なる建築の枠を超え、柔軟なビジネスモデルを構築しながら、新しい可能性を模索しています。これまでの常識や既存のルールにとらわれることなく、建築を通じて社会に貢献し、多くの人がより豊かな暮らしを実現できるような環境を創り出していきたいと考えています。リノベーションという手法を通じて、私たちは住まいの選択肢を広げ、人々の価値観やライフスタイルに寄り添った未来の住環境を提案していきます。
2005年に創業し、建物のリノベーションだけではなく、近年においては建物再生を軸としたコミュニティ再生や、既存事業の再生など、領域を横断したご相談をいただくことが増えています。ルーヴィスの得意とするリノベーションは「既存の良い部分は活かしながら、懐かしい新しさに変化させるところ」と思っています。事業再生も同じで、今がうまくいってないから全てを刷新しなければならないわけではなく、過去に培われた事業の中で活かせるものは活かし、変えるところはドラスティックに変える。メリハリをつけながら調和を整えることで、真新しいだけのものでは出すことのできない価値を提供していきたいと考えています。